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Akiko

世界で羽ばたくおんどとり

※記事中の組織名、拠点名、部署名などは記事公開当時のものです。

9月の末の良く晴れた日の午後、大きなスーツケースとかばんを持った、恰幅のいい男性二人が松本駅に降り立ちました。
この二人こそ、アメリカとヨーロッパにおける弊社の代理人であるスティーブさんと伊藤さんです。おふたりは、毎年開かれる弊社のグローバルミーティングに出席するために、今年も日本にやってきました。

発売25周年を迎えたおんどとり。販路をアメリカとヨーロッパを中心とした海外にも広げてきました。
2000年代の初頭、私たちは自分たちの作り上げた“おんどとり”という商品を世界にも広めていきたいという思いを強く持っていました。
海外に拠点を作り販売網を構築する手がかりとして、アメリカでは大手日本法人の販社社長経験もあるスティーブさん、ヨーロッパではドイツ在住で、日本精密機器メーカーの現地事務所を立ち上げた経験のある伊藤さんを弊社代理人として、海外での拡販を行ってきました。

グローバルミーティングでは、それぞれの地域による商品の適性や市場性の違い、今後の販売戦略等、さまざまなことを話し合います。おふたりとも15年以上にわたって弊社の製品の販売に携わってきているわけですが、これまでの経緯をお聞きしてみました。

 

「営業開始当初、北中米のデータロガー市場はアメリカ製品が主流の中で、日本製品をわざわざ輸入してまで販売したいと言ってくれる代理店を探すことは大きなチャレンジでした。」

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――その熱意あふれる真剣な眼差しで当時を振り返るスティーブさん。

「ちょうどその頃、ワイヤレスモデルのRTR-5シリーズが満を持して発売。無線通信できるデータロガーが珍しい中で、その品質と信頼性の高さに、多くの販売店がティアンドデイの製品を扱うことを“チャレンジ”ではなく“チャンス”と捉え、徐々に市場が拡大していきました。」

 

「ヨーロッパにおいても無線通信タイプのデータロガーは新しく画期的でした。
その一方で無線規格には苦労しました。」

――そう語るのは、ヨーロッパ全域を担当する伊藤さん。
時代のニーズを先取りしたRTR-5シリーズですが、ワイヤレス製品ならではの課題があったそうです。

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「当初は、製品を使いたいというお客様がいても、無線認証を申請する必要がある国かどうか調べるのが大変でした。というのも、世界各国には電波法という国ごとに定められている法律があり、無線機器は認証をとる必要があるのですが、そのルールが複雑なんです。特に欧州連合(EU)の無線規格はEU加盟国、非加盟国、加盟候補国によって異なり、更に部分的に適合しているケースもあって、ひとつずつ調べ上げていきました。」

――必要な課題を一つひとつクリアして、今の成果につながっているのですね。

 

おんどとりは現在、アメリカ・ヨーロッパ・アジアなど60カ国以上で
博物館・美術館をはじめ、医療・食品・輸送業・航空宇宙産業など幅広い分野で評価され、採用されています。例えば、ニューヨーク近代美術館、HERSHEY’S アイスクリーム、DHL Expressなどなど・・・
さらに、ジョンズ・ホプキンス大学が進める、南米ペルーの家庭における調理時の燃焼ガスによる健康被害を低減するための支援プロジェクトで利用されています。

また、世界中の夢と希望を乗せて2011年まで活躍し続けたスペースシャトル・アトランティス。宇宙での役割を終え、現在はアメリカ航空宇宙局(NASA)のケネディ宇宙センターで一般公開されています。その展示室の温度・湿度を管理するためにもおんどとりが使用されています。
人類の歴史に名を刻んだアトランティス・・・その世界的遺産の保存のために私たちの製品が採用されたことを誇りに思い、今後のグローバルな販売戦略を作っていきます。

 

ライタープロフィール

Akiko

Akiko

松本Base / ティアンドデイ プロダクトデザイン部&園芸部