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久能山東照宮博物館

※記事中の組織名、拠点名、部署名などは記事公開当時のものです。

静岡県静岡市にある久能山東照宮は徳川家康公を祭神とする東照宮の創祀、つまり日本全国にある東照宮の中でも一番最初に建てられた歴史ある神社だ。その久能山東照宮に付属する博物館で、展示品の温度湿度管理にティアンドデイのおんどとりが使用されていると聞き、取材に伺った。

インタビューに応じてくださったのは、学芸員と神職の資格をお持ちの宮城島さん。博物館のおんどとりは主に宮城島さんが管理していらっしゃるということだった。

日付 2018年12月4日
訪問先 久能山東照宮博物館(静岡県)宮城島 由貴 様
使用機器 おんどとり TR-72Ui 14台
使用目的 博物館資料の温度湿度管理

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Q: まず、久能山東照宮博物館のご紹介をしていただけますか?

「当館は、久能山東照宮に奉納された徳川家康公の遺品と、歴代の徳川家将軍がお納めになった刀剣や甲冑を中心に、およそ2000点の資料を収蔵している博物館です。
家康公のご遺品がまとまって収蔵されているという点と、歴代将軍の具足を管理しているという点が博物館としての大きな特徴です。歴代将軍の具足が揃っているのは、日本ではここだけです。」

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Q: どういった経緯で家康公の遺品や歴代将軍の具足が奉納されたのでしょうか?

「ご遺品については、東照宮創建時に奉納されたものです。家康公は生前、ご自身が亡くなったら遺体を久能山に埋葬するように、そしてその一年後に日光に勧請するように、という遺言を遺されていました。その遺言に従い、亡くなられたその日のうちに遺体がこの久能山に埋葬され、その後すぐに2代将軍秀忠公の命で当地に社殿を作ったのが東照宮創建の由緒です。着工から1年7か月ほどで完成という、かなりハイスピードな工事でした。
子供や側室などに分配された遺品とは別に、日用品を中心とした久能山行きの遺品も既に分けられていたので、それらが創建されたときに奉納されています。博物館に収蔵される以前は、ご本殿の横の『神庫』という建物にしまわれていた品々です。

具足に関しては、収蔵されている63領(りょう)のほぼ全てが、江戸時代の間は江戸城の中、紅葉山の神庫にしまわれていたものです。150年前の無血開城の際に持ち出され、明治に入ってから徳川家達公(16代目徳川家当主)が静岡にすべてお持ちになり、この久能山にまとめて奉納されました。」

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Q: 日用品や具足以外にも特徴的な収蔵物がありますか?

「掛け軸など、絵画や書画も多いです。具足と同じように明治に入ってから家達公が奉納されたものが多いのですが、旧幕臣の方々が大事に保管されていて、明治以降に奉納されたものもかなりの点数があります。将軍の描いた絵や書も相当な数があります。

他には歴代将軍が就任時に奉納した刀剣や、東照宮で50年に1度行われる大きなお祭りの際に奉納された刀剣類が50口(くち)くらいあって、それらも特徴的な収蔵品です。」

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実は博物館の入り口にアニメ調な男性キャラクターの等身大パネルが飾ってあり、取材前から気になっていた。後で「刀剣乱舞」という、日本刀を擬人化して育てるゲームのキャラクターだと分かったのだが、収蔵品の刀剣の話題が出たタイミングでその質問をしてみた。

Q: 入り口の所にゲームのパネルがありましたが、歴史系のマンガ・アニメやゲームとコラボレーションする機会は多いんですか?

「入り口のパネルは家康公の愛刀をキャラクター化したものです。今まではそういったことはあまりなかったのですが、昨年宮崎県立美術館さんで当館の収蔵物を中心とした展覧会を開催した際に、刀剣乱舞とコラボレーションをすることになって、描き下ろしのイラストを作成していただいたり、限定のグッズを販売したりしました。それからご縁があって、去年の12月にクラウドファンディングを行ったんですね。」

Q: クラウドファンディングですか?

「ええ、昨年の9月に神庫、先ほど申し上げた宝物が仕舞われている倉庫があるんですけど、そこから槍を含めて8口ほどの刀剣が見つかったんです。それらはだいぶ錆が入ってひどい状態だったので、せっかく神社に奉納されている刀なのだから研磨してきれいにしよう、その資金を皆様にご協力いただこう、ということでプロジェクトを立ち上げました。そのときに刀剣乱舞の運営会社さんが全面協力してくだったんです。

クラウドファンディングの場合、ご協力いただいた方への返礼品などを用意するんですが、その品々にゲームのキャラクターグッズを沢山使用することができまして、そのおかげもあって本当に大きな反響がありました。500万円という目標金額があったんですけれども、開始から7時間くらいで達成してしまって……」

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――それは凄いですね!

「本当に驚きました! 目標は500万円だったのですが、今年3月の終了までにそれを遥かに超えて、結局2900万円くらい集まって……。いや、びっくりしました。今でもちょっと信じられないくらいです。
そのように皆様に大変なご協力をいただいて、刀剣を修復したんです。ひどいサビの、大丈夫かな? という状態の刀剣たちが砥ぎ師さんのお力で綺麗になって。

そういうこともあって、刀剣乱舞のパネルを入り口に出しています。展覧会などで他の博物館・美術館さんや企業さんと協力することはあっても、ゲームやアニメといった媒体とのコラボレーションは今までしたことがなかったと思います。」

Q: ゲームとのコラボレーションやクラウドファンディングの前後で変わったことはありますか?

「久能山東照宮でおまつりしている家康公の愛刀がゲームのキャラクターになると決まってからは『(愛刀が)出てますか?』という問い合わせが急に来るようになりました。あまりにも問い合わせが多かったので、1回展示してみたんです。そうしたら連日、大勢の若い女性がその刀を見にいらっしゃるようになりました。その刀の展示のときに真っ先に問い合わせされたり、見学にいらっしゃったり、図録を買われたりするのはほとんど20代から30代くらいの女性なんです。

今までは刀剣の展示をじーっとご覧になるのは年配の男性がほとんどだったんですけれど、刀剣乱舞をきっかけにいらっしゃる方の層がガラッと変わりました。私が解説をするときなども「あの刃紋は?」とか、「造りは?」とか、「何時代のものでしょうか?」とか、マニアックな質問をされる場面が多くなったと思います。今まで以上に自分の知識がないと答えられないことも多くて、逆にすごく勉強になりますね。」

――それにしても、刀が見つかって修復するときにクラウドファンディングを使ってみようというところに、新しいことをやってみよう、今の世の中で出来ることにチャレンジしてみよう、という意気込みを感じます。

「そうですね。特にうちの宮司は先進的なものに対してあまり抵抗が無いと言うか、むしろどんどん新しいものを取り入れていこうというお考えなので、クラウドファンディングも前向きにやっていこうという方針でした。一般的に神社の世界は保守的だというイメージが強くて新しいことに取り組んでいくのはなかなか難しいのですが、その点うちはトップがそういうことを全然やって良いよ、大いにやっていこう、という方なのでこのような試みがどんどん出来るのかな、と思います。」

――その結果、大成功されたわけですね。

「宮司も喜んでおりました(笑)。」

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Q: クラウドファンディングをやろう、というのはどなたの発案だったのでしょうか?

「実はクラウドファンディングをやったのは刀剣の修復プロジェクトが2回目で、最初のクラウドファンディングは先ほど展示室で見ていただいた家康公所用の金溜塗具足、その召替え用の具足の修復費用をご協力いただくというものでした。

うちはブースターという、パルコがサポートしているクラウドファンディングのサービスを使っているんですが、静岡パルコの方が地域に貢献できるようなプロジェクトをできないかと考えていらしたところに、うちの具足の修復費用が必要だという話が合致したようです。修復する具足は指定文化財なので補助金なども出るのですが、それでも何百万円という単位でお金が必要になってくるので、ご協力いただけてありがたかったですね。

家康公の具足ということもあり、地元の方はもちろん歴史好きの方にご協力いただけたという感じでした。その最初のときに目標金額はクリアしたので、『じゃあ第2弾もやってみよう!』『ちょうど刀も見つかったことだし、またやろう!』と言って2回目をやったらとんでもないことになりまして。」

――7時間で目標達成は凄いですよね。

「ブースターのプロジェクトでも最短記録だったみたいです。」

――そうすると歴史のある物や文化財を守るには、クラウドファンディングは良い方法ですね。

「使い方次第だとは思います。全部が全部、クラウドファンディングでやれば良いというものでもないですし。ただ最近は各地で幻の名刀を復元しよう、とか、良い刀を刀工の故郷に飾るための購入資金を集めよう、というような動きが盛んです。刀剣以外の文化財の関係でもクラウドファンディングは増えていますので、ひとつのやり方として考えていけば良いのではないでしょうか。」

――入り口でキャラクターのパネルを見たときは「最近はこういうコラボレーションもあるんだ」くらいに思っていたんですが、想像以上でした。そういうお話だったんですね。

「そういうお話だったんです(笑)。」

Q: さて、こちらの博物館では当社のデータロガー「おんどとり」をお使いいただいているのですが、まずは導入のきっかけをお聞かせください。

「当館は5年くらい前に、半年ほど閉館して空調と照明を入れ替えるリニューアルの工事を行いました。その際に温湿度や空気の環境調査が必要になり、そのとき初めてケースごとにデータロガーを入れて、定期的な測定を始めることになったのです。データロガー自体は工事をした業者の方が持ち込まれたのだと思いますけれど、温度湿度を測る機器は必要だということで、気がついたらたくさんケースに入っていました。『あ、他の博物館でも見たことがあるおんどとりが居る』と思って見ていたのが最初ですね。」

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Q: リニューアルなどで新しい設備を導入した際に、温度湿度も含めて環境をチェックするとことは博物館などで一般的なのでしょうか?

「そうですね。やはり新しい建材から有害物質など出てしまっていると、飾っている資料に悪影響を及ぼす恐れがあります。特に新築の場合は壁材などから化学物質が出なくなるまで、一定期間置いてからでないとオープンしてはいけないという所もあるようです。」

Q: お使いになっているおんどとりの型式と、使われている場所を教えてください。

「温度湿度タイプのTR-72Uiを14台使っています。1階、2階の展示室と展示ケースそれぞれの中に合わせて11台、収蔵庫には3台入っています。」

Q: 記録データを吸い上げてパソコンで確認する頻度はどれくらいですか?

「データの吸い上げ自体は2週間に1回のペースなんですけれど、毎日展示室内を巡回するときに液晶画面の数値は見て、展示室やケースの温度湿度が何℃何%RHなのかはチェックしています。」

Q: 展示室や展示ケースごとに、管理すべき温度湿度の基準があるのでしょうか?

「ケース自体には温度湿度の調整機能はないんです。ケースの気密性と調湿材と、あとは展示室全体の空調制御で温度と湿度を調整しています。気密性が非常に高いケースを使っているので、ケース内の温湿度の激しい変化はそもそもあまりありません。
おおよその基準では、温度は20℃プラスマイナス3℃くらいが理想ですが、そこは季節によって変わります。夏場になると23℃から25℃くらいまで上がることもありますし、冬場は20℃より少し低かったりすることもあります。

湿度は55%RHが理想です。湿気が多いのは紙の資料に良くないですし、逆に湿度が低くなると漆に悪い影響があります。漆は湿度が高いと固まって、低くなると緩む性質があるんですね。なので急激な湿度変化があると、漆が割れてしまったり変形したりする危険があります。金属も、急に湿度が変わると結露したりします。
資料のジャンルが非常に多く、素材によって適した湿度がバラバラなので、全部の資料が大体良さそうなところでキープするしかないのです。そうすると55%RHあたりが良い、ということになってきます。」

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――冬場に55%RHをキープするのは大変なイメージがあります。

「そうなんです。冬場は放っておけば40%RHを切ったりすることもあるので、朝開館するときに空調を回して加湿したり、ケースを拭くときに水拭きしたりして湿度を上げています。」

Q: 温度より、湿度のコントロールに気を遣うということですね?

「湿度の方が気になりますね。温度も急激に変わりさえしなければ、四季の移り変わり程度の変化は許容範囲です。温度も湿度も、急激に変化すると資料にストレスがかかります。とにかくストレスのかからない環境にずっと置いてあげたい、というのが私たちの思いです。そのためにデータロガーを置いて測定値を確認したりするわけです。」

Q: 2週間に1回のデータ吸い上げで確認されるのはどういうポイントでしょうか?

「急激な温度や湿度の変化がなかったかを振り返るためにデータ吸い上げしています。理想的には、温度湿度のデータがまっすぐな、直線のようなグラフなっているのがベストなんです。でも実際にはやはり温度湿度の変動があって、結構ギザギザなグラフになりますから、どのタイミングで湿度がどのくらい上がるのか、逆にどの状況で下がるのか、そのあたりを確認するためにデータを吸い上げて見ています。」

Q: 温度湿度の大きな変化の原因、例えば天候などとの関連性はどのように確かめていらっしゃるんですか?

「博物館では毎日必ず日誌をつけているので、天気などの記録はそこで分かります。グラフを見て予想外の変動があったときには、その日の天気を確認します。天候以外にも、お客さんが一度に大勢入ってこられると湿度が10%RHくらいドンと上がったり、展示替えのときにケースを開ければ湿度変化が起こったりします。グラフで確認して、大きな変化があるときは必ず原因を調べていきます。」

Q: そのように特定した原因を、湿度の変動を防ぐ方法に活かすわけですね?

「はい、人が増えてきたり天気が変わってきて湿度が上がりそうなときは空調を入れたり、逆に早めに切ったりして、なるべく急激な変化が起こらないように神経を使っています。
館内を巡回をしているときにもデータロガーの液晶表示を目視して、ケースにあまり良くない状態だと思ったら空調を調整します。とにかく、なるべく変化しないように。」

Q: そのように注意してなるべく安定した温湿度の環境で保管しても、やはり経年劣化は避けようがないのでしょうか?

「それはありますね。環境によって劣化するスピードを抑えることは出来ますが、展示している以上、ストレスやテンションが資料にかかってしまうのは仕方ない面があります。長時間強い光に当ててはいけない資料もありますが、光がなければ展示が見えないですし。」

Q: 温度湿度以外にも、例えば今おっしゃった光で言うと照度など、他の項目も測りたいということはありますか?

「展示するときにケースの光量は調整できるので、今はあまり光を測定する必要性は感じていないです。紙の資料はもともと光量を抑え気味にして展示したりしています。リニューアル前は美術品用の、紫外線をカットした特殊な蛍光灯を使っていて、少し赤っぽい光なので展示室が全体的に暗くちょっと怖い感じでした。リニューアル後は白っぽいLEDの照明に変わって、同じ光量で前よりも明るくなったので、以前より光の心配は減っています。とはいえ、強い光を当ててはいけない資料は、光量を調整した上で長期間は展示しないようにしています。」

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Q: 空気中の化学物質などの環境調査は定期的に実施していらっしゃるんですか?

「当館は休館日がないので、しっかりした環境調査をするタイミングが難しいです。
最近、色々な会社から『環境調査どうですか?』というお話をいただきます。目に見えない環境は知っておきたいですね。

あと環境の意味が違いますけど、ここは山の上なので虫が入ってくる危険と隣り合わせです。虫害ですね。紙を食べてしまう虫もいますし、展示替えでケースを開け閉めするときなどにケースの中に入りそうな虫がいないか注意しています。入り口で防ぐように細心の注意を払っても、お客さんにくっついて展示室に入ってきてしまう虫もいるので、日々虫との戦いです。
他にも、海が近いので塩害が大変です。空調に塩害用のフィルターが付いていますが、塩も資料の大敵なので気をつけなくてはいけません。」

Q: おんどとりを回収するときにも毎回ケースを開けていらっしゃるんですね?

「ノートパソコンを持ち歩いて、ケースを開けてそこでデータを回収しています。朝お客さんの入る前か夕方に皆さんお帰りになった後に巡回して、30分くらいで回収しています。」

――実は現在お使いのTR-72UiにIoT対応の後継機が出ていて、無料のクラウドにデータを自動送信できるようになっています。無線LANの環境があれば、ケースを開けたりデータロガーをPCに接続したりせずにいつでも温度湿度をグラフで確認できます。また、警報の上下限値を設定しておけば急激な温度や湿度の変化があったときにメールでお知らせを受け取ることができます。

クラウド対応 無線LAN機能つきの「おんどとり TR-72wf」を持参してあったので、本体機能やティアンドデイのクラウドサービス「おんどとり Web Storage」の仕組みなどをデモさせていただいた。

――そして来年の2月には、Bluetooth機能を追加した新機種「おんどとり TR-72wb」が発売予定です。スマートフォンでの設定やデータの確認が更に便利になります。

「色々と進んでいるんですね!
当博物館内でも職員が使用するためのWi-Fiが飛んでいるので、使えそうです。おんどとりを導入した当初はネット環境も無かったですし、今ならもっと便利なものを使っていけると思います。

今使っているおんどとりは、リニューアル工事をしたときに購入したものなので5年前から使用していますが、当初は私ともう一人の学芸員とでデータの回収を担当していました。ソフトウェアのインストールなども私がやりました。

温湿度のデータも最初はあまり気にしないで見ていたんですけれど、段々やることが増えていって色々な相関が見えるようになってから『データに気をつけなければいけないな』と思うようになってきました。毎日数値を細かくチェックするようになったのはここ1、2年の話です。」

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――データロガーを設置しただけで安心されてしまうのか、置きっぱなしというケースもあるんですよ。こちらの博物館ではしっかりデータを気にしていらして、すごく有効にお使いいただいているなと思いました。

「データロガー、毎日見てます。電池の交換サインが出るのもすぐ気がつきますよ。『電池!』って言ってすぐ交換します。
出勤して博物館を開けたら、まずデータロガーを見ます。天気が変わりやすい日は館内の温度や湿度も変わりやすいので、30分に1回くらい展示室の中をぐるぐる巡回するんですけれど、そのときに必ずデータロガーの表示も見ていますね。他の職員にも見るように言っているので、みんな見ていると思います。『おんどとり何℃でした?』とか言って。何%RHだったから今日の空調の設定はああしよう、こうしようとか相談して。
本当にこのおんどとりが無いとやっていけないです。いつも本当に助かっています。ありがとうございます。

――こちらこそ、おんどとりをご活用いただいてありがとうございます。
本日は興味深いお話をありがとうございました。

インタビューが終わってから、宮城島さんに久能山東照宮の境内を案内していただいた。その際に伺った刀剣の詳しい説明や神社の情報、歴史ファンの方々のお話など、非常に興味深い内容だったのだがここには書ききれない。

取材を通して何より興味深かったのはやはりクラウドファンディングの件だ。取材前は歴史的遺物とデータロガーとのミスマッチが面白いかも、などと考えていた。お話を伺ってみれば、創建400年の由緒ある神社が伝統は守りつつ、新しい物を積極的に取り入れている。刀剣や具足をはじめとする各種資料も、最先端の技術とサービスで保管され、修復されて次世代に引き継がれていくのだろう。時代の流れにマッチすべくIoT対応を進める「おんどとり」とも、相性が良くて当然なのかもしれないと思った。

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久能山東照宮ウェブサイト

クラウド・Bluetooth対応 温度湿度データロガー TR-7wbについて

ライタープロフィール

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おんどとりイズム ライター。T&DではCX推進部に所属。趣味はウクレレ。