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Akiko

ようこそ信州松本へ

おかげさまで今年発売25周年を迎える「おんどとり」は、ここ信州松本で生まれました。
私たちの会社は本社に勤める43名のうち、約3割の県外出身者が地元の社員と共に活躍しています。(実際に県外から移住してきた社員の声も掲載していく予定ですので楽しみにしていてください。)子育て世代も多く、産休・育休制度や時短勤務など働きやすい環境が整っています。敷地内には北アルプスの伏流水のビオトープや井戸もあり、自然を感じられる中で働いています。
「おんどとりのふるさと紹介」では私たちの目を通して松本の街並み、自然や文化、そして魅力ある食べ物など暮らしの様子を季節に応じて紹介していきますので是非ご覧ください。

松本ってどんなところ?

松本は長野県のほぼ中央に位置し、2000m級の美ヶ原高原と3000m級の北アルプスに囲まれた盆地(松本盆地*)です。実際に生活して感じるのは、台風の影響が少なく山に守られているという安心感です。
中心市街地は標高約600m(高尾山とほぼ同じ)、複数の河川により形成された扇状地の上に位置します。盆地なのに標高600mもあるのは生活している私たちも不思議に感じますが、それだけ周りの山が高いということですね。
年間を通して晴天率が高く、青空に映える北アルプスの景色はいつ見ても癒されます。

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JR松本駅から車で約10分の城山公園。展望台からは北アルプスと松本平が一望。

* 松本盆地
松本市街地と周辺一帯からなる盆地で、連続テレビ小説「おひさま」で有名になった安曇野もこの中にあります。長野県では盆地のことを「平(たいら)」と呼び、松本盆地を松本平、安曇平ともいいます。
ティアンドデイ本社の社員はほぼ全員が松本盆地に住んでいます(松本市7割、安曇野市2割、他1割)。通勤手段は自家用車のほか、自転車や徒歩で通う社員もいます。盆地といっても中心市街地から少し離れると坂道も多く、自転車通勤は体を動かすのが好きな人には心地よいトレーニングになるようです。

市民の宝・松本城

今回は松本の中心市街地を歩いてみましょう。
市の中心部に位置するのが私たちの心のふるさと「国宝・松本城」です。
約420年前に戦国大名・石川氏によって建てられた天守は、現存する12天守の中で日本最古のもの。城内も当時のまま残され、装飾品や刀、火縄銃などが展示され、更に階段を登って最上階(大天守6階)に行くと松本の城下町や周囲の山々が見渡せます。

江戸時代には松本藩の政治の拠点となり、松本城を中心に城下町が形成されました。
明治初期の廃城令により松本城は売却されましたが、市民が資金を集め買い戻し、解体の危機を乗り越えました。「松本城を後世に残していく」という精神は現代にも引き継がれ、今も地元学生や市民によって松本城周囲の清掃活動や天守の床磨き活動が行われています。また、外壁の漆は毎年塗り替えられ、お城の美化と維持に努めています。そのような松本城は市民の誇りであり、かけがえのない宝です。

海外からも毎年多くの観光客が訪れ、外国語でガイドをする地元のシニアボランティアも活躍しています。私の父もその一人で、色々な国の方々とのコミュニケーションを楽しんでいます。

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別名 烏城(からすじょう) – 漆塗りの黒と漆喰の白のコントラストが美しい

歩行者天国でのんびりお散歩・繩手通り

続いて松本城下を紹介します。
お城から南へ5分ほど歩くと、昔懐かしい商店街「縄手通り」があります。
もともとは松本城のお堀(総堀)と女鳥羽(めとば)川に挟まれた「縄のように細く長い土手」だったことから「繩手(なわて)通り」と名付けられました。
明治以降は「四柱神社*」の参道として発展しました。

通り沿いには長屋風の建物が立ち並び、懐かしい雑貨や駄菓子など見ているだけでも楽しくなるお店がたくさん並んでいます。終日歩行者天国で、市民のお散歩コースとしても親しまれています。
そんな風情ある繩手通りは映画「orange」や「神様のカルテ」のロケ地にもなりました。

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* 四柱(よはしら)神社
四つの柱(神様)が鎮座されているパワースポット。地元では「神道(しんとう)」とも呼ばれ、市民の憩いの場所としても親しまれています。ちなみに私はここで結婚式を挙げました。

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レトロモダンな佇まい・中町通り

この通りは、個性あるカフェや漆器店、アンティークショップなど”松本らしさ”もありつつ、センスあるお店が立ち並び、地元の人にとっても楽しい散策スポットとなっています。

善光寺街道沿いの商業の街として栄えましたが、江戸末期から明治にかけて木造の建物は幾度となく大火に見舞われ、当時の人たちはその教訓をもとに耐火性に優れた土蔵造りの建物に変えていきました。現在も当時の建物の多くが残り、白壁となまこ壁の歴史漂う景観を保っています。

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さて、そんな中町通りですが、松本の魅力のひとつである地下水を汲み上げる「蔵の井戸」があり、地元の人たちに愛されています。さらにはその水を使って地元の酒蔵でオリジナル日本酒「中甼(なかまち)」が造られています。中町通りの飲食店で提供され、酒屋さんで購入もできます。
この時期は「初しぼり」がいただけるそうですよ。

「地下水」についての詳細はまた別の機会に紹介します。

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中町・蔵シック館の敷地内にある懐かしい手漕ぎポンプの「蔵の井戸」

おわりに

今回まわったスポット(松本城~城下町 縄手&中町)はそれぞれ徒歩数分の距離にあり、気軽に散策できるコースです。松本の中心市街地(松本駅~お城間のエリア)は、松本駅からお城までのんびり歩きながらでも所要時間20分程度。また、タウンスニーカーという市内周遊バスがあったり、自家用車だったり、自転車だったり生活の足は様々ですが、どこへ行くにもコンパクトなこの街のサイズはとても魅力的です。

今は3月、信州松本でも山野草の花が咲き始め、春の息吹を感じられるようになってきました。
このブログを読んでいただいている皆さんはどのような春を迎えていますか?
次回は松本・安曇野の春の足跡をたどっていきます。

ライタープロフィール

Akiko

Akiko

おんどとりイズム ライター / ティアンドデイ 情報イノベーション&園芸部