※記事中の組織名、拠点名、部署名などは記事公開当時のものです。
岩手県盛岡市の西部、御所湖のほとりにある繋(つなぎ)温泉。
その最も奥まったところに、純和風の温泉旅館「つなぎ温泉 四季亭」がある。
四季亭さんでは温泉のお湯の温度を管理するために無線タイプの「おんどとり」をご使用いただいているとのことで、詳しいお話をお聞きするために伺った。
日付 | 2019年7月2日 |
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訪問先 | つなぎ温泉 四季亭(岩手県盛岡市) |
使用機器 | RTR-500AW、RTR-502 |
使用目的 | 温泉の温度管理 |
「つなぎ温泉 四季亭」の建屋は純和風の数寄屋造りだ。隠れ湯的なロケーションからは想像もつかないほど豪華な外観、そして内装である。
松・竹・梅を配した庭を望める落ち着いたロビーで、社長の間瀬信康様とフロントの伊藤寛様にインタビューさせていただくことになった。
「ほんと、助かってるんですよこの機械」
開口一番、間瀬社長からそんなお言葉をいただいた。
「救いの神様みたいになってます」
――嬉しいです、そう言っていただけると。
詳しくお聞かせいただきたいと思います。
Q. では、まず四季亭さんのご紹介をお願いします。
「つなぎ温泉自体の開湯は、900年前になります。
温泉の名前の謂れとしては、当時の武将が乗っていた馬を温泉で癒すときに、岩に穴が開いていたところに手綱を繋いで休ませたのでそこから繋(つなぎ)温泉の名前が生まれた、とされています。」
この武将とは、平安時代後期に活躍し、八幡太郎(はちまんたろう)とも呼ばれた源義家(みなもとのよしいえ)だそうだ。
「こじんまりとした温泉ですが、名前を変えたりしながら古くからやってます」
間瀬社長が続ける。
「うちの先代の社長が四季亭の創業者なんですが、佐藤という名字で、もともとご先祖様がここ(つなぎ温泉)の「湯守」という南部藩の役職を仰せつかっていたんだそうです」
――そういう役職があったんですね。昔からここの温泉が大切にされていたのが分かりますね。
「昔あった旅館の火事で書付など消失してしまったそうですけど、そういったご先祖様だったそうで。その湯守の流れを汲んで、四季亭として開業してからは31年目になりますね。」
Q. おんどとりを導入される前から、温泉の温度を測っていらっしゃったんですか?
間瀬社長:「それまでも風呂の温度はつどつど測って確認してました。棒の温度計を持っていって、風呂に入れて測るわけですよ。当然、ああいう温度計っていうのはその時点の温度しか分からないでしょ? おんどとりは途中の経過がグラフに出るので、もう全然違いますよ」
四季亭さんでは、無線通信タイプのおんどとり「RTR-500シリーズ」を導入していただいている。子機は防水の外付けセンサが付属する「RTR-502」を、そのデータを無線で集める親機(収集機)は「RTR-500AW」をお使いだ。親機のRTR-500AWには無線LAN接続機能があり、いわゆるWi-Fiのアクセスポイントを経由してネットワーク上のPCで温度がモニタリングできる。
Q. どういう経緯で、おんどとりを使っていただくことになったのでしょう?
間瀬社長:「きっかけというのは、うち(四季亭)でお部屋付けの露天風呂を後から作ったんですよ。その露天風呂にお湯が行く経路に問題がありまして、女湯の大浴場に行く途中から個々の部屋に行くお湯を取ったんです。
そうすると、夜中にお客さんがお湯を全開にしたりなんかすると、たちまち女湯に湯が行かなくなるんです。それでぬるくなっちゃったりして。
夜間だと夜警さんの勤務時間なもので、そうすると温度調節にえらい神経を使うことになってしまって、大変なストレスだったんですね、これが。
そうしているうちに、あなた(伊藤さん)が最初にティアンドデイさんとこの商品を見つけたの?」
伊藤さん:「あ、それは佐々木さんが。
夜警さんで、以前電気工事やってた人なんですけれども」
間瀬社長:「どっかのカタログか何かで、温度を記録するものがあるって探してきて」
――夜の間、スタッフの皆さんが大勢いらっしゃらない時にも、お湯の温度を管理をしなければいけないのですね。
間瀬社長:「事務所でも『今何℃だ』と分かりますのでね、そうするとまあ操作するところは別なんですけれども、そこへ行ってお湯を絞ったり出したり……。うちの場合は2階と3階でお風呂が男女分かれてるんで、操作する角度によって女湯にお湯を多く流したり男湯に戻したりとか、そういった調整をしなければいけないんですよ」
――お湯の温度を、画面でずっと監視することも必要なんですね。
間瀬社長:「そうなんですよ、それでこの人(伊藤さん)が無線で繋いだの」
伊藤さん:「結構四苦八苦しながら……(笑)
導入のポイントとしては、それまで実際大浴場まで行って実測していたので、お客さんがお風呂に入っていると測れないんですよ。
なので時間が経ってからまた行って、またお客さんが入っていたらまた戻って、ということをやっていたのですが、事務所に居ながらにして温度がすぐ手に取るように分かるものが欲しいという声があって、それが導入のきっかけですね」
Q. 最初から無線シリーズの「おんどとり」を導入していただいたのですか?
伊藤さん:「はい。佐々木と色々探しまして、ネットの情報なども見たのですけれども。大規模な工事を必要としないもの、という基準を第一に選びました」
――それは導入の決め手としてよく伺うお話ですね。
伊藤さん:「初めから風呂に温度計が備え付けの旅館であれば要らないでしょうけど、後付けということでそういう手間がかからないものを、という事を中心に探しました」
間瀬社長:「導入前にデモ機も貸していただいたりしてね」
伊藤さん:「ええ、親身にしていただいて」
――恐縮です。電波の飛び具合については、実際にやってみないと分からない部分が多いので、デモ機をお貸出ししています。やはり導入前にご確認いただくことをお勧めしていますね。
伊藤さん:「そういう意味ではデモ機をお貸出しいただいて助かりました」
間瀬社長:「それで『行ける』となって、お願いしたわけなんですよ」
伊藤さん:「市販のものやその辺りのホームセンターで売っているようなものだったら、必要な機能があるかどうかすら分からなかっただろうと思います。
お問い合わせは最初から直接ティアンドデイさんにさせていただきました。
おんどとり本体をそのままお湯に突っ込むわけにもいきませんので、カバーかケースが必要になったんですが、どういったものを使えばいいのかのアドバイスもいただきました。おかげで取り付けることができました」
間瀬社長:「結局、そういったサポートをいただけなければ導入できなかったと思いますよ。指くわえて見ているばかりで(笑)」
Q. 導入していただいて、どのようなメリットがあったのでしょうか。
伊藤さん:「前からは考えられないほど楽になりました。昔には戻れないですね」
間瀬社長:「実際、お湯の温度が熱すぎると気付かないうちに火ぶくれが起きたりして危ないんですよ。お客さんは適温だと思って足を入れられるわけですから」
Q. ちなみにお湯の温度は、何℃ぐらいを維持するように管理されてるんですか?
伊藤さん:「目標は41.5℃から42℃です」
――かなり狭い範囲で管理されてるんですね。
浴槽が広い場合、どこを基準にしてお湯の温度を測っているのですか?
間瀬社長:「それは申し合わせでね。定点観測、この場所で、いわゆる棒温度計の首までつけて…… というような、ある程度の申し合わせをしてるんです」
――給湯の所と排水の所では違いますものね。
間瀬社長:「それとあと、おんどとりの設置場所がありますよね。申し合わせた場所と設置場所では温度の違いがある場合があって。女湯はいいのですが男湯は0.3℃違うので、おんどとりの実測値に+0.3℃したものを基準の温度として使用しています」
――本当に厳密な管理をしてらっしゃるんですね。
温度が上がり過ぎたり下がり過ぎたりした時にお知らせを受け取るためにお使いなのかな、と思っていたのですが。
間瀬社長:「それね、僕の携帯電話に飛んでくるようになってるんですよ。いわゆる何℃の設定温度を超えました、とか」
――あ、警報メールお使いいただいてるんですね。
間瀬社長:「頻繁には起こらないけど、夜中にメール来たときとかはちょっと心配になって見てみるけどね」
伊藤さん:「具体的には、42.7℃を超えたら警報メールが飛ぶように設定しているんですよ。夜中だと43℃を超えるくらいの温度の方がちょうどいいというお客さんもいらっしゃるのでそこは難しい所ですが、基本42℃を超えないようなオペレーションをしております」
間瀬社長:「見てないと、やっぱり動きますよ温度が。
例えばストレージタンクという所に水を入れるんですけれど、そのストレージから各洗い場のお客さんが水を使うじゃないですか。それで実は、その水と温泉水とで熱交換してるんです。
なので洗い場で誰も水を使っていなければ六十数℃のお湯が浴槽に行くのですが、洗い場でお湯を使いだすと浴槽に行くお湯の温度が53℃とかに下がってくるんです。
そうすると浴槽の温度が変わるわけで、一日を通してみるとお客さんの使い方で変動があるんですね。それに合わせてお湯を出したり絞ったり、給湯する角度変えたり、その辺りは経験ですね」
Q. そうやって温度が下がってくるタイミングが見えてくれば、お客さんがたくさん入っているからこれくらい調整しよう、というのが分かってきたりしますか?
伊藤さん:「そうですね、グラフを目で見る事によって傾向が分かってきたりします」
――後で事務所のパソコンでグラフをご覧になっている所も見せていただいていいですか?
間瀬社長:「もう現場見に行っていただいたらいいんじゃないかな?お茶飲み終わったら」
――ではそうさせていただきます。
お茶を頂いている間も話は進んでいく。
伊藤さん:「最初から温度を測定記録する設備が備えてある旅館であれば必要ないわけですが、後付けになる場合にこの「おんどとり」のシステムは非常に有効だと感じましたね」
間瀬社長:「温度計が備え付けてあっても、無線で飛ばしている旅館はそんなにないんじゃないかな?」
伊藤さん:「全国にある小さい旅館のニーズは大きいのではないかと思いますね」
ここでフロントの奥にある事務所に移動し、現在値をモニタリングするアプリを使ってパソコンのモニタ上に女湯・男湯の大浴場の温度を表示しているところを見せていただいた。
時々モニタリングデータの抜けが発生するのが気にかかるという事なのだが、どうも親機のRTR-500AWと無線LANアクセスポイントとの通信に問題がありそうだ。つまりWi-Fiの電波が届かない時があるようなので、後ほど親機とアクセスポイントの設置場所を確認することにした。
次に、実際におんどとりが設置されている大浴場へ移動する。伊藤さんのご案内で、3階の女湯から先に見せていただくことになった。
館内を移動中、伊藤さんはしきりに「こじんまりした旅館で……」とご謙遜されるが、大変立派な造りだった。
「大浴場の温度を見守るという事で、男性用と女性用、一か所ずつおんどとりを設置しております」
女性用の大浴場に入ると、中庭の見える快適そうな浴槽が広がっていた。ここでゆっくりお湯につかれたら、さぞかし気持ちがいいだろう。そんな浴槽の一角に、ケースに入ったおんどとりが居た。
お湯の温度を測定する付属の外付けセンサTR-5106に、何か針金のようなものが巻き付いている。
Q. 黒いケーブルをセンサーに巻いているのはどういった理由ですか?
「導入の際に色々検討してくれた夜警の佐々木さんが、お湯の流れでセンサが遊んだりして測定値が変わってしまわないように工夫しました。
おんどとりの導入については実際、佐々木さんの知識にずいぶん助けられました」
Q. お使い始めからはどれくらい経っていますか?
「2年目に入ったくらいですかね?電池もまだ交換していません」
――大容量バッテリのLタイプでお使いいただいてるんですね。
「場所が場所だけに、ちょくちょく電池交換できませんから」
「子機から直接親機まで電波を飛ばすにはちょっと弱いので、間に中継機を入れています」
――あ、中継機もお使いなんですね。
そこで、脱衣所の中継機を見せてもらうことに。飾り棚の奥に、木箱に入った状態でRTR-500Cが設置してあった。
(※撮影のため、箱を裏返してRTR-500Cが見える状態にしていただいた。)
――結構ガッツリ隠してあるんですね! で、ここから電波を飛ばしている親機はどちらに?
「親機は、2階の男風呂の方に設置してあります」
というわけで、親機の場所を確認するため男湯のある2階に移動する。
「無線LANのアクセスポイントも2階にあるんです」
親機の設置場所を確認させてもらう。無線LANアクセスポイントがある天井裏からもそんなに離れていないので、別のアクセスポイントに接続しているのかもしれない。後日、伊藤さんにご確認いただくことになった。
続いて、2階の男湯に入る。レイアウトは女湯とほぼ同じだが、窓から見える庭の景観が違うためまた印象が変わる。女湯・男湯とも滞在中は好きな時間に入浴可能とのことで、ここに宿泊したら何度も温泉に出たり入ったりしたくなることだろう。
「お客様がいつ入られるか分からないので、遠隔から温度を確認できるのはそういう意味でも助かってます」
無線通信タイプおんどとりの面目躍如である。
せっかくなので、露天風呂も見せていただいた。
取材した日の気候が良かったのもあるだろうが、ときどき露天風呂で感じるような不安感や寒々しさの全くない、居心地の良い空間だった。
「つなぎ温泉は周りに何もないもんで、お湯に何度も入るくらいしか楽しみが無いんですよ」
――いや、そこがすごく良いと思いますよ! なんだか贅沢な時間を過ごせる感じがします。
「本当に、そういう風におっしゃっていただくのが一番嬉しいです」
いかに効率的に時間を使うか ―例えば、旅行に行ってもいかに無駄なく観光スポットを巡るか― を重視する昨今。そんな風潮だからこそ、旅先でゆっくりできるというのは至上の休み方だろうと思う。
「将来的には個室の露天風呂にもおんどとりを付けて、まあ、お客様がチェックインされてしまうとどうしようもないんですけど、それまでのお湯の温度管理に役立てたいと思っております」
後学のため、部屋付きの露天風呂も見させていただくことにした。ここは「かたくりの間」というお部屋で、季節になれば庭に咲くかたくりをお風呂に入りながら鑑賞できるという極上の環境だ。
「今ですね、お湯を冷ますために扇風機を当てているところです」
斜めに置かれた扇風機が浴槽に風を送っているのは、なかなかシュールな光景だった。
「源泉100%にするために、水で薄めないで風で冷ましてるんです。
一滴でも水で薄めてしまうと源泉100%にならないので……。社長のポリシーです」
――すごい大事なポイントですね!こだわりを感じます。
そうだったのだ。
四季亭は、源泉100%なのだ。拝見するに、掛け流しでもある。
つまり、湧出した温泉を加水・加温・循環・濾過することなく利用しているのである。
冒頭から伺っていたお話の内容が、パズルのピースをはめるようにピタリ、ピタリと繋がっていく。
源泉100%だから個室露天にお湯を引くと大浴場の温度が下がるし、お湯の温度の調整も難しい。
部屋付き露天風呂の温度を調節するためには、扇風機を使わなければいけないのだ。
モニタリング以前には戻れない、というのも頷ける。
せっかくなので、扇風機をどかした写真を撮影させてもらった。
「さっき社長が話しておりましたように、以前この部屋付きの露天風呂にお湯を引いた関係で女湯の温度が下がってしまったという…… その反省を踏まえて、今は別のルートからお湯を引いています」
――これはお客さんのチェックイン前にお湯の温度を調整しておいて、後はご自分で湯加減を調整してくださいということなんですか?
「その通りです。で、お部屋付きの露天風呂もお湯使い放題なので……」
――それで大浴場のお湯が取られて温度が下がってしまった、と。
「そうなんです。そもそもそこから始まった温度管理なんですよ。
先ほどから名前が挙がっている夜警の佐々木さんがそこに気付きまして…… 大浴場のお客様に迷惑がかかってはいけないと、ティアンドデイさんの製品を導入検討することになったんです」
さらに、かたくりの間より新しく、より大きい部屋とその露天風呂を見せていただく。
続き間の和室に、洗い場も備えた露天風呂……。
――こんなお部屋だったら、本当に一週間とかこもっちゃいます。
「さすがにそこまで連泊される方は、最近はあまりいらっしゃらないですけれども……。
やっぱり一か所に留まられるより、あちこち回りたいお客様が多くいらっしゃいます。ゆっくりされたい方が、リピーターさんとしていらっしゃいますね。
出歩いてお遊びになるより、一日中こもりっきりになるのがお好きな方なんかには向いていますね。
オープン当時はツアーでいらして、とにかく色んな場所を回りたい、というお客様もいらしてましたけれど、最近は忙しいのが苦手なお客様も増えてきています」
伊藤さんのお話は、再びおんどとりの設置状況に移っていく。
「おんどとりをこういった個室のお風呂に、どうやってつけようかというのが思案のしどころです。
最初大浴場に取り付けた時に、最近は盗撮ということが問題になっていまして、それを心配した部分もありました。
あまり隠して設置してしまうとお客様に不安を感じさせてしまうので、逆に温度を測っていることがはっきり分かる方がいいんですね。
さっきの中継機なんかは逆に、何をする機械なのか見た目で分からないですし、脱衣所に置く関係上、隠してたんですよ」
業種業界によっては温度を測っていることをお客さんに知られたくない場合がある。だがこのように温度を測っていることを明らかにする方がお客さんの安心に繋がる業種もあるのだ。
「幸い、(おんどとりを見て)これ何、と言ってこられるお客さんは一人もいらっしゃらないです」
――しっかりケースに入っていて怪しまれないですしね。
センサだけ外に出せるのもいいですね。
「あのケースをご紹介いただいて助かりました。温泉自体が非常に強い成分なものですから、色々なものがすぐボロボロになっちゃうんです」
「金具とか錆びちゃうんですよね」
そう言って、伊藤さんは露天風呂の御簾(すだれ)を固定する金具を指し示した。
新しく作ってまだ一年ほどしか経っていないのに、結構な錆び具合だ。
――RTR-502のセンサはフッ素樹脂で被覆されているので大丈夫でしょうけど……。
こちらの温泉の成分というのは……?
「こちらは単純硫黄泉なんです」
つなぎ温泉のお湯はpH9.1の強アルカリ性の硫黄泉で、肌を引き締め皮脂を抑える効果があるそうだ。
――硫黄ってこんなに鉄を錆びさせるんですね……。その割にあまり硫黄の臭いがしないですね。
「温泉によってはもっと強い硫黄の香りがするんですけれど、うちはもっと柔らかい硫黄泉が出ています。それでもこう錆びてしまうんですね。蛍光灯の端っこの差し込み口なんかもボロボロになっちゃって指でつぶせるくらいになってしまいます」
――それは設備の維持など大変ですね!
お使いのRTR-502は本体も生活防水仕様で耐久性も高いのですが、そういった温泉成分の影響を考えるとケースに入れておいた方が断然安心ですね。
「ホームセンターなどを回ると温度を測る装置は売ってたりするんですけど、なかなか信頼のおけるものがなくて……」
――うちの製品は、耐久度もだいぶ違いますね。
「違うと思うんですよ。そういう事だと思うんです」
――25年前に発売された初代のおんどとりを今でもお使いになっているユーザー、いらっしゃいますからね。
「そういう意味では、最初から『当たり』を引くことができてラッキーでした」
――ありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。
この後、再び間瀬社長にご挨拶してからお暇した。
帰り際にフロントにある「つなぎ温泉グッズ」が目に留まった。温泉水を使ったオリジナルグッズを展開しているのだという。気になった温泉化粧水のミストをいただいて、肌が乾燥した時に自分で使っている。
つなぎ温泉 四季亭さんは、お客様への心遣いにあふれた旅館だった。宿泊する方に喜んでいただけるよう、こだわりの源泉100%でお湯の温度を厳密に管理されている。
あまり気づかれないところでサービスの品質や付加価値を支えるのは、おんどとりが得意とする使われ方のひとつだ。今回は四季亭さんにお話を伺ったが、全国各地の温泉でおんどとりは使われているし、これからも利用されていくだろう。
湯治に行かれる際には、お湯につかりながらも周りにちょっと目を向けていただきたい。湯守の「おんどとり」が見つかるかもしれない。