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Akiko

おんどとりのふるさと便り – 春編

信州松本の春ってどんな春?
梅の花、菜の花、コブシ、桜など花々のリレーが繰り広げられる中、ふと北アルプスを見上げると雪景色。この残雪と花々の共演が信州の春の特徴です。
今回は松本とその隣の安曇野へ少し足を延ばして春を探しに行きましょう。

城下町

先ず松本の街中から…「ようこそ信州松本へ」で紹介した松本城下町「縄手(なわて)通り」に沿って流れる女鳥羽(めとば)川と桜並木です。

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この季節ならではの春の風景が、川の上を気持ちよく泳ぐ鯉のぼりと桜のコラボレーション。街中に彩りを添え、道行く人の目を楽しませてくれます。

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松本城

松本市民が愛してやまない「国宝松本城」。
ソメイヨシノ・枝垂れ桜など約300本の桜が咲き誇り、松本城の美しさをより一層際立たせてくれます。

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どの時間帯に見ても美しい松本城の桜は、何度訪れても見飽きることがありません。
そして桜の見頃を迎える頃、毎年社内で話題になるのが「松本城夜桜会」。開花宣言の3日後から8日間、本丸庭園を無料開放してお茶席などが設けられ、ライトアップされたお城と夜桜を鑑賞できるのです。松本で誰もが心待ちにするイベントです。

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夜桜会の期間中、朱塗りの欄干に囲まれた月見櫓(つきみやぐら)ではフルート、雅楽などの演奏が行われ、優雅な花見の宴を楽しむことができます。
前回のブログで戦国時代に建てられたお城だと紹介しましたが、この月見櫓は江戸時代に将軍徳川家光をもてなすために増築された櫓なのです。戦乱の世を乗り越え、泰平の世に月を眺めるために設けられた”平和の象徴”といえるものかもしれません。そんな歴史に思いを馳せながら眺める月見櫓と桜は感慨深いものです。

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わさび田

安曇野の春は豊富な湧水量を誇るわさび田から始まります。
日本一広大なわさび田を持つ「大王わさび農場」は夏には避暑を求めて多くの観光客で賑わいますが、私は春が一番のオススメです。

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3月になると畑一面に広がるかわいらしい白い花…安曇野に春の訪れを告げる「わさびの花」です。
菜の花と同じアブラナ科ですが、黄色ではなく白い花を咲かせます。

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わさびの花(花わさび)は食用としても人気で、この時期だけ地元のスーパーなどで見かけます。おひたし、天ぷら、わさび漬けなどにすると美味しいです。
大王わさび農場のレストランでいただいた本マグロ丼にたっぷりのった生わさびは、新鮮で風味豊か。まろやかな辛みとほのかな甘みもありました。北アルプスの豊富な雪解け水(伏流水)と冷涼な気候のおかげで美味しいわさびが育つんですね。

水鏡

安曇野は県内でも有数の米どころで、桜が終わる頃になると田畑に人の姿をみたりカエルの声が聞こえてきます。
この時期ならではの風景が田んぼの水鏡。水を張った水田に映る残雪の北アルプスです。安曇野の春の風物詩で、風のない早朝にきれいな水鏡を見ることができます。

ちなみに昔の人々は、田植えをはじめとする様々な農作業のタイミングを山の「雪形」でみていたといいます。
そのひとつが常念岳に現れるお坊さんの雪形「常念坊」。左方向を向いて徳利を下げるお坊さんの姿が見えるでしょうか?

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安曇野市のサイト(No.23 常念坊 参照)

拾ヶ堰(じっかせぎ)

最後に、常念岳をきれいに見られる桜スポットがこちらです。
水に恵まれている安曇野ですが、実は昔、この辺りは農業に向かない土地でした。扇状地のため地下に水が浸透してしまい、農業用水が不足し、用水路(堰)を造って農業を広げてきました。そのひとつである拾ヶ堰は長さ約15kmに及ぶ大規模な用水路ですが、江戸時代後期、大勢の地元農民が工事に加わりわずか3ヶ月で完成させたといいます。安曇野が豊かな農作物の産地になった背景には、こんな歴史があったのですね。現在も安曇野を潤し続ける拾ヶ堰は遊歩道・自転車道も整備され、市民のお散歩コースや憩いの場になっています。
ちなみに、拾ヶ堰を数年前に教えてくれたのは、京都からIターンの社員Mさんです。信州をこよなく愛するMさんのおかげで、毎年の春の楽しみが増えました。

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松本・安曇野にはまだまだたくさんの素敵なスポットがあります。
皆さんの一番好きな春の景色はどこですか?
私が一番好きな景色はアイキャッチ画像でも使用している会社の敷地内の枝垂れ桜です。魅力的なものはすぐ身近にあったりするのかもしれませんね。

次回はIターン特集で、県外から移住してきた社員の声をお届けする予定です。
どうぞお楽しみに!

ライタープロフィール

Akiko

Akiko

おんどとりイズム ライター / ティアンドデイ 情報イノベーション&園芸部