※記事中の組織名、拠点名、部署名などは記事公開当時のものです。
我々、株式会社ティアンドデイの本社は長野県松本市にあります。
県外からお越しになったお客様に「良いところですね」とお褒め頂く事もあるのですが、多くの方が「でも冬場は雪が大変でしょ?」と仰います。
意外かもしれませんが、松本市は降雪量が少なく、2018年度の冬はスタッドレスの出番はほぼありませんでした。(私は市外に出るので一応履いてますが)
一方、山を挟んでお隣に位置する富山県は降雪量がとても多く、多くの道路やアパートには消雪装置が設置されています。
(道路から水がちょろちょろ出続けて雪を溶かすものです)
それにもかかわらず夏場はとても暑いそうです。
今回は消雪装置を私共のDoValveと組み合わせて夏の猛暑対策に活用されている、合同会社未来アセット研究所の多喜裕介様にお話を伺って参りました。
多喜様は富山県内に数多くのアパートをお持ちの自称「ド田舎大家T」さんです。
著書に、田舎大家流「新築×IoT」 不動産投資術などをお持ちで、いわゆる超のつく凄腕の大家さんです。
日付 | 2019年11月11日 |
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訪問先 | 富山県富山市 |
使用機器 | DOV-25BT |
使用目的 | 消雪装置を夏場の打ち水に応用 |
Q.早速ですが、どのような用途でDoValveをお使いですか?
「消雪装置にDoValveを接続し、夏場の打ち水に活用しています。」
「ここ富山市内は地下水がとても豊富で、アパートを新築する際に地下水を活用した消雪装置を設置しました。
そこで、せっかく消雪装置があるのだからこれを夏場の打ち水に活用ができないかと思いつきました。
夏場に入居者が帰宅された時、少しでも快適さを感じてもらえたら嬉しいなという思いです。」
「今、アパート経営は戦国時代で、似たような物件が数多くあります。
賃貸アパートといったら、四角くて、玄関ドアを開けたらすぐにキッチンがあって、壁は白色で、というような代わり映えしないイメージですよね。
そのため、他物件とは違った付加価値を提供し、お客様に選んで頂く必要があります。」と多喜氏。
Q.DoValveをどのようにお知りになりましたか?
多喜氏:「『電動弁、温度、タイマー』をキーワードにしてネット検索しました。
消雪装置には降雪を感知して弁の開閉を行う機能がありますが、時間と温度のロジックでその弁の開閉を行うことができません。
そのため、このようなキーワードを元にして検索しました。」
Q.では、数々の製品の中からDoValveを選んでいただけた理由を教えてください
多喜氏:「実は、時間と温度の組み合わせで作動する電動弁が御社のDoValve以外に見つからなかったんです(笑)
ただ、ポイントは温度による制御でした。何せ、暑くもないのに水をまかれても困りますからね。
スマホからBluetoothを使って簡単に設定変更できるのも便利ですし。」
–なるほど、井戸水とはいえポンプの稼動には電気が必要ですし、時間だけで水をまくというのも無駄ですね。
多喜氏:「実は、前職で御社のおんどとりを使っていた事があり、懐かしくなったのもポイントでした。」
──おんどとりユーザー様でもいらっしゃったんですね。ありがとうございます。
Q.ところで、消雪装置を打ち水に活用することは富山では一般的なのですか?
多喜氏:「一般的ではありません。真夏、たまに手で水をまいている人は見かけますが。」
──では、なぜ打ち水をやってみようと思われたのですか?
多喜氏:「実は、前職で夏場にビルの打ち水を経験した事があったからです。
今回は新築段階から消雪装置とDoValveを取り付けようと計画し、井戸の配管はそれ用に設計しました。
打ち水と消雪装置をパッケージにした商品が世の中にないのでネットを使って色々探したのです。」
Q.打ち水を行った効果はいかがでしたか?
多喜氏:「それを私が一番知りたいです!」
「実は、どの位の温度からどの程度下がったか、というようなデータ検証をまだ行っていないのです。」
御社の“おんどとり”を使って、このような検証を行うことはできませんか?」
──もちろんできます!
RTR-500シリーズには防水型の温度計があり、計測したデータはネットワーク経由で“おんどとりWeb Storage”(無料クラウドサービス)に送信することができます。
Web Storageに送信されたデータは、いつでもどこでもスマホから簡単に見ていただくことができます。
温度の上下限値に逸脱があればE-mailを使った警報通知を行うこともできます。
多喜氏:「今は打ち水をやっています、という事実止まりなので、今後はデータから効果を確認したいと思っています。
後で温度計について詳しく教えてください!」
Q.DoValveを打ち水に活用する際の設定のコツなどがあったら教えて下さい。
多喜氏:「一般的に言われていることは、一日に2回、朝と夕方に行うと効果的といわれています。
朝に打ち水をすると、その後の温度上昇が緩やかになります。
もっとも、私の物件は単身者向けのアパートで昼間は入居者がほとんどいないこともあり、昼間に水をまいたとしても効果を実感してもらえません。」
Q.DoValveを使ってみた感想、ご意見、ご要望などがあったら教えてください。
多喜氏:「先にも言いましたが、温度のデータを取りたいと思っています。
おんどとりを使えば実現できる事はわかりましたが、せっかくDoValveに温度センサがついているのだからこの情報を活用できたら良いなと思います。
実は打ち水にもデメリットがあって、湿度が上昇する事です。
温度を下げたつもりが蒸し暑くなってしまったら本末転倒です。
開閉条件に、温度と湿度を加える事ができ、同時に不快指数も表示してくれるとより便利だと思います。」
──DoValveはその製品の性格上、当然農業や園芸の分野で使われる事が多いのですが、昨今の猛暑をうけて、エアコンの室外機に水をまいてエアコンの運転効率を上げる用途だったり、
工場の屋根に水をまいて建物自体の温度を下げる用途だったりという使い方をされるケースが予想以上に増えているのです。
温度や湿度のデータ取得、不快指数の表示など、今後の製品開発のアイディアの一つとしてありがたく検討させていただきます。
多喜様はご自身の著書で、他物件との価格競争を避けるために、差別化を図り、自らの物件の競争力を高める事の重要性を説いています。
競争力を高めるため、他人とは違う“尖った何か”を求めて考えた結論が“IoT対応”のスマートホームだったそうです。
今回訪れた物件には、各戸にスマートスピーカーを標準装備し、TV、給湯器、エアコンなどを音声操作する事ができるそうです。
また、インターフォンは入居者のスマホと連携し、スマホを使って外出先からでもインターフォンの応答ができます。
更には、全戸に専用の宅配BOXを設置する事で、入居者の利便性を追及し、昨今社会問題になっている宅配業者の負担軽減にも寄与されています。
打ち水という古式ゆかしき日本の伝統とIoTを融合させ、入居者に優しく、社会貢献の一助にもなるアパート。
もし自分が物件探しする立場ならば、こんな物件に積極的に入居したいなと思うと同時に、私達の製品がこのような形でも役立っているのだなと知る事ができた一日でした。
私達も、“温度”という最も基礎的な要素とIoTを組み合わせ、これからも皆様に積極的に選んでいただけるような製品つくりを心がけて参ります。
ちなみに、多喜様の現在のお悩みは、数多く物件検索サイトはあれど、どのサイトにも部屋の絞込み条件に“IoT対応”がないことだそうです。
関係者の皆様、もしこれをご覧になったら、これからは検索条件に“IoT対応”を追加してください!